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本会について

代表理事 ご挨拶

介護福祉経営士への期待
~超高齢社会へ向けて、激動する介護業界の中で、生き抜いていくために~

この度、日本介護福祉経営人材教育協会の代表理事に就任しました宮島俊彦と申します。
この場をお借りして、介護福祉経営士の方々に、今後の介護業界における皆様への期待について、申し述べさせていただきたいと思います。

今後は、85歳以上の高齢者や一人暮らしが増加し、若い人が減っていく少子高齢化がますます進んでいきます。こうした中でも、安心できる介護サービスを提供していくためには、何といっても、介護現場で働く人材の確保が一番大事になっています。
介護業界全体では、介護人材は2019年度には211万人でしたが、2040年度には280万人が必要になり、新たに69万人を確保する必要があります。2024年度の介護報酬改定率プラス1.59%は、過去2番目に大きな上げ幅で、賃上げに充てられますが、他産業も人材確保のための賃上げをしており、自ずと限界があります。
今後の介護現場では、高齢者の活用、ロボット・ICT・AIの活用等の介護DXによる生産性の向上、外国人材の確保など多面的な取り組みが必要になってきます。同時に、介護現場を働き甲斐のある魅力ある職場にし、離職防止にも力を注がなければなりません。

一方で、介護保険制度創設から24年が経ち、介護業界も成熟してきました。しかしながら、これまでのように成長一本槍というわけにはいかない状況にあります。介護サービスの質や生産性による競争は避けられなくなっています。厚生労働省からも、タスクシフティング、請求事務や労務管理などの共通化、財務諸表の報告・公表の義務化など、介護現場の効率化が求められています。また、社会福祉連携推進法人や経営の大規模化・協働化などによる経営基盤の強化が期待されています。
2024年度の介護報酬改定でも、LIFE(科学的介護情報システム)の推進、アウトカム評価の充実、介護ロボットやICT等の活用促進、生産性の高い事業所の人員配置基準の柔軟化など、サービスの質の向上と効率化が求められています。

介護福祉経営士の役割は、安定した経営の実現と良質なサービスの提供です。人材確保が困難になり、介護業界の競争が激化し、サービスの質の向上と効率化が求められる中で、これからますますの活躍が期待されています。
環境の変化に臆することなく、日々研鑽を積まれ、それぞれの介護現場においてなくてはならない存在として、ご活躍されることを強く念願する次第です。

一般社団法人日本介護福祉経営人材教育協会
代表理事 宮島 俊彦



初代代表理事の言葉

「介護福祉経営士」の資格を手にされる皆さんには、とても大きな役割が期待されています。それは“効率的で広がりのある介護福祉サービスを追求する”ということです。

経営とは、ある知識やある技術を最大限に発揮して、目標を達成することだと言えます。さまざまな専門職がもつ知識や技術を最大限に発揮できるようにすること、すなわち効率よく介護福祉サービスを提供するためのマネジメントは、高齢者が急増する日本に必須なのです。

また、高齢者や障害者がどのように暮らすことが必要なのか、常に自問しながら先駆的なサービスを実践する能力も必要になるでしょう。「介護福祉経営士」には、“広がり”のある介護福祉サービスを創造する役割も期待したいと思います。
介護福祉の分野でも経営が必要である、と考えられるようになったのはつい最近のことです。まだまだ歴史は浅く、「介護福祉経営学」という学問そのものすら未発達であると言わざるを得ません。

しかし、学問は経験と知識を集積しなければ、形づくることはできないのです。ですから「介護福祉経営士」になられる皆さんには、ぜひ当会の研究会などの活動に積極的にご参加いただき、お互いの交流を深め合いながら、介護福祉の第一線で活躍されることを期待しております。そして自らの知識を蓄えることはもちろん、お互いの経験を持ち寄って介護福祉経営学の礎を築いていただきたいと思います。

一般社団法人日本介護福祉経営人材教育協会
初代代表理事 故・江草安彦